スナップエンドウ、高級別荘に抽選入居する。~インゲン御殿とライムギ城壁の物語~

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Last Updated on 2025年12月11日 by 管理者 Nikifarm

おはようございます

畑の片隅とある別荘

そこには、ただの畝とは思えない存在感を放つ、一画があった。

周囲はライムギの並木がガッシリとそびえ立ち、北風も霜も寄せつけない。

その上には、インゲンのつるが絡み合い、緑の迷宮を形成している。

そして地面には、雑草マルチがフカフカの絨毯のように敷かれ、高級旅館の“床の間”すら連想させる。

地元界隈では、こう呼ばれている。

「スナップエンドウ御用達 超高級別荘地」

──その人気は凄まじいのだ。

■ 入居希望者、殺到中!

ある日、数粒のスナップエンドウたちが入口ゲート前に並んでいた。

彼らは豆ながらも胸を張り、声をそろえて言う。

「ボクら、この畝で暮らしたいんです!」

しかし、迎えた管理人(=NIKIファーム主)は淡々と言う。

「この別荘は抽選制です。
風・鳥・霜、すべてから守られていますので、
競争率は畑界トップクラスです。」

スナップ夫婦たちは目を輝かせた。

「鳥の泥棒リスクなし!?」
「冷暖房完備!?」
「地下はインゲンさんの耕した極上土壌絨毯!」

その歓喜たるや、聞いたモグラが地面にズッコケるほどであった。

■ スナップ視点の物件案内

別荘内には、住民(植物)たちの口コミが張り出されている。

📌 前入居者・インゲンさんのレビュー

「秋働いて冬守る。まさか自分のツルが防壁になるとは思わなかった。」

📌 ライムギさんからの挨拶

「今年も冷たい風?霜?私が遮りますのでご安心をして住んでください」

📌 雑草マルチ氏のコメント

「見た目は地味ですが、鳥の視界には私は迷彩服ですから」

もう、完全に高級別荘口コミサイトのノリである。

■ 人間より恵まれた環境

スナップたちは口々に囁き合う。

「この別荘、鳥どころか人も入れないらしいぞ」
「え、人間より優遇されてる!?」
「農業とはこんなすごいこともあるんだ!?」

どこからか声が飛ぶ。

「それは努力ではなく、長年の経験で完成したミラクル農方の奇跡だ!」

この発言に、畝全体がザワついた。

農業界の常識が音を立てて崩れる瞬間である。

■ 晴れて入居

抽選の結果、選ばれたスナップエンドウ夫婦たちは喜びに跳ね上がった。

「ワタシ、ここに住めるのね!」
「一流の別荘に住むと、収入も違うらしいわよ!」

その表情は、
港区一等地のマンションを高倍率で当選した新婚夫婦のそれに近い。

■ エピローグ

やがて、冬が来る。

外界では北風が唸り、霜が畑を白く染める日も来る。

しかし別荘内は――

静寂で暖かい。

完璧に守られている。

スナップ夫婦たちは、誰に言うでもなくつぶやいた。

「不動産は立地じゃない。
周辺環境と、前オーナーの残した善行なのだ。」

畝は誇らしげに沈黙した。

管理人である私は、何もしていないように見えて、

実は最も優雅な農業スタイルを確立していたのだ。

その名も、

NIKIファーム流放置副作用農法

〜畝が自然に働き、私はニヤリと見守るだけだった〜

定年退職の三角ホーが畝を眺めながら、新人三角ホーの腕前をチェック…ほーーー、雑草管理の新時代は君にかかっている!

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