北海道でも、事件はどこでも発生するから油断大敵
Last Updated on 2025年10月27日 by 管理者 Nikifarm
おはようございます😃
寒い朝、厚別へ行くはずが札幌まで——若い車掌さんに救われた事件。
目 次

油断大敵
◆ 薄明かりの朝、旭川を出発
東横インホテルの朝食は軽いバイキング、弁当箱に詰めてホールで食べ、食後のコーヒーをすすった。
朝の空はうっすら明るく、冷たい風が顔に当たる。
吐く息は白くはないが、「もう冬だな」とつぶやいた。
今日は旭川から弟の住む厚別へ向かうのだ。
旭川駅で岩見沢までの特急券を買い、そこから普通列車に乗り換える——完璧な予定のはずだった。
◆ 特急のぬくもりに誘われて
自由席の6号車に乗り込むと、車内はガラガラ。
かえって指定車両の1号車から4号車両が混んでました。
車両内は暖房のぬくもりが心地よく、座席の揺れが眠気を誘う。
窓の外には灰色の雲。
遠くの山にはうっすら雪。
玉置浩二の歌を聴きながら、「少しだけ目を閉じよう」と思ったのが、運の尽き。
検札に来た車掌さんの声が最後の記憶だった。
◆ 目覚めれば、札幌!
ふと目を覚ますと、車内の電光掲示板には
「次は終点・札幌」
……えっ?
外を見れば、広がる北海道の風景。
完全に寝過ごしていた。
「やっちまったな」
と笑うしかない。
まあ、旅の途中だ。折り返せばいい。
◆ 若い車掌さん、そして優しい笑顔
札幌に着く少し前、再び車掌さんが検札に来た。
20代くらいの小柄な青年。
マスク越しでも優しさが伝わる。
「すみません、岩見沢で降りるつもりだったんですが、寝過ごしましてね」
そう言うと、彼は少し驚いた顔をして、にこっと笑った。
「そうでしたか。大丈夫ですよ」
彼は何かを書き込み、私の特急券を返してくれた。
責めるでもなく、ただ受け止めてくれる。
その若さに似合わぬ落ち着きが、胸に沁みた。
◆ 雨と地震速報、そして静かな車内
外は雨がポツリポツリ。
車窓の景色もぼんやり。
そこにスマホが鳴った——
「埼玉県で地震速報です」
留守番中の孫に連絡しつつ、
寒さと雨、そして地震。
そんな朝だからこそ、人の温もりが一層ありがたく感じた。
◆ 「普通列車のほうが早いですよ」
札幌駅に着く前、車掌さんがわざわざ声をかけてくれた。
「このあと厚別に行かれるなら、普通列車のほうが早いですよ」
その言い方が、実にやさしい。
まるで「気をつけてね、お父さん」と言われたようだった。
私は思わず笑って、「ありがとう」と頭を下げた。
◆ 遠回りの朝、心は近くに
寒い朝に寝過ごし、少し遠回りしたけれど、
人の優しさに出会ったおかげで、心はぽっと温かい。
外は雨。
でも、不思議と足取りは軽かった。
世の中、まだまだ悪くない。
そう思いながら、厚別行きの普通列車に乗り換えた。
◆ そして後日談——実は「寝過ごし」が得だった!?
あとで調べてみたら驚いた。
旭川から岩見沢経由で厚別へ9駅行くより
旭川から札幌まで特急→普通電車で厚別へ3駅戻った ほうが、なんと 「早い」 のだ。
人生、たまには寝過ごしてみるのも悪くない。
“遠回りのようで近道”——そんな朝の珍道中だった。







