テニス仲間とBBQを開催したら、日本の老後問題が全部出てきた【№1】
Last Updated on 2026年5月18日 by 管理者 Nikifarm
おはようございます。室温 24.8℃、昨日の5㌔ジョグ後血圧(73/51/121)、5時間後(107/78/82)。
血圧の薬を飲んでいる方は、ウオーキング&ジョギングをお勧めします。
目 次
~最後に現れた“ラスボス”は、田舎の家だった~
事件は、
テニスコートではなく、
BBQ会場で起きた。
私は最初、
ただ肉を焼くだけの平和な会だと思っていた。
しかし違った。
炭火の向こう側で、
日本の老後問題が静かに口を開けていたのである。

■ 第一の事件「最近、膝が…」
シニアBBQは、
若者のように
「恋愛」
とか、
「夢」
とか、
そういう浮ついた話はしない。
まず最初に始まるのは、
「最近、膝がね…」
である。
続いて、
- 血圧
- 体重と糖尿
- 眼玉と白内障
- 歯の治療
まるで医療カンファレンスである。
しかも全員、
妙に詳しい。
薬の副作用について、
医者より説明がうまい人までいるが、全員もれなく薬漬けである。
■ 第二の事件「旅行に行けるうちに行け」
肉が焼け始める頃。
突然、
旅行の話になる。
「ドイツに行った」
「トルコに行きたいが安全か?」
「台湾はどう・・・」
「温泉行った」
「もう長距離運転が疲れる」
すると誰かが言う。
「動けるうちだよなぁ」
ここで一瞬、
全員が静かになる。
シニア世代の会話には、
時々こういう
“人生の伏線”
が混ざる。

■ そして第三の事件が起きた
それは、
肉も最高に焼けた頃だった。
Kさんが、
ぽつりと言った。
「ところでさ……田舎の家、どうかしたいんだよな?」
出た。
あれ、退職してから何度も飲み会では、田舎に帰ると言ってな。
まあ、奥様はこちらに(埼玉県)残るとは言ってたが・・・
今回のシニア世代BBQ、最大の未解決事件。
「田舎の家どうする問題」
である。
私は、すでに退職する前に北海道岩見沢市の母親の家や、旭川市の土地は売買した。
というより、
札幌市に住んでいる弟がすべてしてくれたのだ。(ありがたい、感謝している)
なので育った場所ではあるが、残している物は何もない。
■ みんな最初は帰るつもりだった
不思議なのだが、
なぜか日本人は退職前後になると、
「老後は田舎で畑」
という幻想を見る。
しかも脳内映像は美しい。
- 縁側
- 鳥の声
- スローライフ
- 採れたて野菜
- 田舎の幼馴染たちとの語らい
完全にNHK状態である。
しかし現実は違う。
- 草
- 虫
- 坂道
- 車なしでは買い物も無理
- 自治会、親戚問題
- 病院まで車40分
- コンビニは閉店
夢はだいたい、
真夏の草刈りと冬の雪で崩壊する。

実際に帰省する同期も何人かいるが、本当に帰りたかったのかどうなんだろう?
私はその気はまったくなかった。
■ リフォームという“犯行現場”
さらに怖いのは、
退職前にリフォームした人である。
Kさんが言った。
「うち、屋根と水回りと風呂まで直したんだよ……」
この瞬間、
全員が遠くを見る。
いるのである。
日本全国に。
- キッチン新品
- トイレ最新
- 屋根、外壁塗装済み
しかし現在、
年に数回しか行かない家。
しかも帰省の目的が、
- 「換気」
- 「草刈り」
- 「雨漏り確認」
になっている。
もはや遠い別荘ではない。
“高額維持型ミステリー物件”
である。
■ Kさんも容疑者だった
ここでKさんが自白した。
実は私にも、
鳥取県に相続している家と土地がある。
しかも、
ちゃんと帰省するつもりだった。
- 畑
- 田舎暮らし
- 縁側
- 完璧な老後設計
しかし気がつくと、自分も奥様も
- 病院は関東
- 友人も関東
- テニスも関東
- スーパーも関東
つまり、
生活の本体が全部関東だった。

故郷へ帰る理由が、家と土地の見守りだけだった、
そして、終わりのない草との定期戦争がはじまるのである。
しかも、ずーーと続くのだ。
でも、
あの「帰ろうと思っていた家」は、
本当に住むためだけの場所だったのだろうか。
実は誰も、
“帰る場所”ではなく、
“戻れる自分”
を残しておきたかったのかもしれない。
関東へ出てきた人間には、
たぶん、
そういう気持ちがどこかにある。
炭火の向こうで、
Kさんが静かに言った。
「ところでさ……
これ、最後どう処分するんだ?」
その瞬間、
全員が黙った。
たぶん――
誰も答えを持っていなかったのである。
(第二部へ続く)


