大人の修学旅行 in 強羅〜桜とにごり湯と、日本酒と〜

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Last Updated on 2026年2月5日 by 管理者 Nikifarm

おはようございます、室温15.4℃。

「大人の修学旅行」

このフレーズ、最近いちばん気に入っているフレーズです。
修学旅行ほど体力はないが、
社員旅行ほど気も使わない。(今は行かないか・・・)
ちょうどいいのが、この呼び方だ。

今回のメンバーは、
社会人なりたて23歳のころ、独身寮で一緒だった3人組。
あれから約45年。
誰も大出世はしていないが、
誰も大病もせず、
まだ3人そろって温泉に行ける。

これだけで、もう人生はだいぶ上出来だと思う。

なぜこの時期か

理由はシンプル。
一人が言った。

「桜、見たいな」

その一言で即決。
若い頃は「花より酒」だったが、
最近は「酒も花も両方ほしい」。
欲張りになったというより、
失うものが増えた分、
今をちゃんと実感して味わいたくなったのだろう。

今回の宿

場所は箱根・強羅の小さな温泉宿。

本当はリゾートらしい会員制ホテルに行くつもりだった
だがここは会員制ホテルでも、高級旅館でもない。
少し年季の入った、10室もない静かな宿だ。

温泉は源泉かけ流し。
pH2.2の強酸性泉。
少し肌にピリつく感覚が、かえって心地よい。
白濁したにごり湯で、
日によっては緑色にも変わるらしい。

浴槽は大きくないが、
「湯の質で勝負してます」というタイプ。
派手さはないが、
身体の芯に効きそう感は満点だ。

たぶん風呂から出たら、
3人とも無言で牛乳を飲むと思うが置いてない。

料理と二次会

夕食は会席。
刺身、天ぷら、豚焼き、そして日本酒。

若い頃なら「肉!肉!肉!」だったが、
今は「刺身の順番」と
「天ぷらの油の軽さ」で満足度が決まる。

そして本番はここから。
箱根湯本で地酒を仕入れておき、
部屋で三人、しっぽり二次会のコップ酒。
お猪口ではなく、あえて宿の厚手の湯呑みで飲む酒がいい

話題はきっと、

  • 最近どこが痛いか
  • 〇〇が亡くなったらしい
  • 孫の写真大会
  • 最後は「まあ、生きてるだけで勝ちだな」

昔の恋愛話?
それはもう記憶があいまいすぎて盛り上がらない。

昼は蕎麦という最大の難関

強羅に行く途中、昼は蕎麦の予定。
ところが問題が一つ。

同行者の一人は、
人生の半分、蕎麦職人だった男。

これは下手な店に入ると、
箸の動きが急に遅くなるからラーメンかうどんか。

それとも、うなぎか?

今回の旅、
いちばん迷うのが「昼飯」かもしれない。

結局、蕎麦屋の暖簾をくぐる勇気が出ず、
一番無難な『うどん屋』で落ち着くのが、
我々らしい妥協点かもしれない。

気兼ねしない仲間という財産

考えてみれば、この3人。
もう何十年ぶりかのブランクがあっても一緒にいる、
お互いの肩書きも、収入も、
今さらどうでもいい関係だ。

自慢もしない。
張り合いもしない。
愚痴を言っても説教されない。
黙っていても気まずくならない。

これが一番すごい。

若い頃は
「友達は多い方がいい」と思っていたが、
今ははっきり分かる。

友達は、数ではない。
沈黙が平気な人が、残る。

老後に必要なのはお金より気楽さ

老後に必要なのは、
貯金だ、年金だ、健康だとよく言う。
もちろん全部大事だ。

でも、もう一つある。

気を使わずに会える人。

これがないと、
どんなに金があっても、
どんなに健康でも、
人生はちょっと味気ないのだ。

逆に、これが一人でもいれば、
安宿の温泉一泊で、人生はだいぶ豊かになる。

この旅は確認作業かもしれない

今回の大人の修学旅行。
桜を見る旅であり、
温泉に浸かる旅であり、
日本酒を飲む旅でもあるが、

本当はたぶん、

「まだ、この関係は続いているか?」
を確認する旅なのだ。

50年経っても、
まだ笑えるか。
まだくだらない話ができるか。
まだ一緒に風呂に入れるか。

それが確認できたら、
もう十分すぎる収穫である。

桜もきれいだろう。
にごり湯も気持ちいいだろう。
日本酒も、きっと美味い。

でも実は、
この旅でいちばん貴重なのは、
目的地ではなく、
まだ一緒に行ける相手がいることなのかもしれない。

大人の修学旅行

成績表もない。
集合写真もいらない。

ただ、
「また来年も行こう」と言えたら、
それだけで、もう大人の修学旅行は合格点だ。

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