最強の本人確認は“4桁”だった―孫の寿司で気づいた現実

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Last Updated on 2026年4月11日 by 管理者 Nikifarm

おはようございます。室温21.7℃、朝一血圧(134/96/76)。

4月8日はおめでたい日。

孫の中学校の入学式だ。

ついこの間までランドセルを背負っていた気がするが、
目の前に現れた孫の姿を見て驚いた。

最近の中学校の制服は実にお洒落で可愛い。

まだ少し大きな制服に身を包み、少し照れくさそうに笑う姿を見るだけで、
こちらの目頭が熱くなる。

家族が集まる晴れの日の食卓。

主役はやはり、コストコの特大寿司だ。

あの48貫の圧倒的なボリュームと鮮やかなネタがなければ、我が家の祝いの席は始まらない。

「これを持っていきなさい」という父の特権

当日、娘が「これからコストコに買い出しに行く」と言うので、
私はごく自然に、自分のクレジットカードを差し出した。

「それなら、いつも私が使っているこのカードを持っていきなさい。」

行政書士という職業柄、普段は「本人確認」や「契約の厳格さ」について、
人一倍うるさい自負がある。

だが、この時の私はただの「太っ腹な父」であり、

初孫の笑顔を確実に手に入れたい一心だったのだ。

法律家の自分、父親としての自分

娘を送り出した後、ふと職業的な思考が頭をもたげる。

「そもそも、頼まれて買い物に行く際に他人のカードを使うのは、法的にどうなのだろうか?」

実務的に言えば、クレジットカードの規約には
「会員本人が利用すること」が明記されている。

たとえ家族であっても、厳格な規約上は「名義人本人」以外の利用は認められないのが原則だ。

「私はなんてことをしてしまったんだ、行政書士が規約違反を推奨してどうする」

そんな一抹の不安と葛藤が、脳内で静かに火花を散らした。

だが、それ以上に「孫に旨い寿司を」という感情が、法的な理屈を軽々と上回っていく。

現場のリアル「誰も見ていない」

コストコは会員制の要塞だ。

入り口でのチェックも厳しく、独自のルールを死守する巨大帝国である。

レジで止められ、娘が気まずい思いをしないだろうか。

私はスマホを握りしめ、現場からの報告を待った。

しばらくして娘から届いた連絡は、拍子抜けするほど平然としたものだった。

「お父さん、全然大丈夫だったよ。名前なんて誰も一文字も見てないし、
スタッフさんは機械の画面が『承認』になればそれでOKって感じだよ」

なんという事だ。

私たちが日々、実印や署名を通じて積み上げようとしている「本人の証明」という重みはどこへやら。

現場では、カードの持ち主が誰かという情報よりも、
決済が通るかという「事実」がすべて。

最強の証明書は、私のサインでも顔写真でもなく、
娘が打ち込む【4桁の暗証番号】だけだったのである。

痛恨のミスと、秘密のLINE

しかし、ここで私はあることに気づく。

「暗証番号こそが正義だ」と確信しながらカードを渡したくせに、
肝心のその「4桁」を娘に教え忘れていたのだ。

最強のカードも、番号がなければただのプラスチックの板。

娘は今ごろ、レジの行列の中で「4桁の壁」を前に立ち尽くしているはずだ。

私は慌ててスマホを手に取り、LINEを開いた。

家族グループのトーク画面に、機密情報を打ち込む。

「番号は〇〇〇〇だ!」

セキュリティ担当者が聞けば卒倒し、同業者が聞けば苦笑いするような、
パスワードの直送。

だが、孫のお寿司のためなら、背に腹は代えられない。

暗証番号という秘密が、春の空を越えて娘のスマホへと一瞬で飛んでいった。

あえて「不便」を残しておく理由

実は、コストコには「家族カード」という便利な制度がある。

これを作れば、娘も自分専用の番号で堂々と決済ができる。

行政書士としては、当然そちらを勧めるべきなのだろう。

だが、ここでふと思ったのだ。

もし完璧に自立した家族カードを渡してしまったら、
あの娘からの「お父さん、コストコに行きたいんだけど」という、
カードを口実にした誘いまで無くなってしまうのではないか。

「お父さん、暗証番号なんだっけ?」と頼りにされる。

不便で、少し危なっかしくて、ルールからはみ出しているかもしれない。

けれど、その「不便さ」が、私たち親子を繋ぐ細い糸になっている気がしてならないのだ。

もしその誘いがなくなってしまったら……。

想像するだけで、どうにも「がっくり」きてしまう自分がいる。

少しでも使ってもらえる、これがなぜかとてもうれしいものになっている。

無限のカードと、最高の祝宴

しかも、このカード。

娘がいくら使っても、不思議なことに残高が無くなることはない。
(※もちろん、後日私の口座から引かれるだけなのだが)

結局のところ、私は法律家としては失格だったかもしれない。

だが、ただ孫に旨い寿司を食べさせ、
可愛い制服姿を祝いたい一心で、LINEで番号を飛ばした「うっかりした祖父」になれたことは、
どこか誇らしくもある。

さあ、特大の寿司がテーブルに並んだ。

今夜は「カードの力」ならぬ「孫の笑顔の力」に、乾杯することにしよう。

ピカピカの中学一年生、入学本当におめでとう。

(※注:行政書士としては、皆様には正攻法の『家族カード』作成を強く推奨いたします。

……が、親子の会話を優先したいお父様方は、自己責任でどうぞ!)

コストコだけにコストはかかる。
だが、孫の笑顔は――プライスレスである。

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