1円のリゾートマンションという「甘い罠」、自由を愛するシニアの正解とは

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Last Updated on 2026年4月4日 by 管理者 Nikifarm

おはようございます、室温20.0℃、朝一血圧(137/98/69)。

― シニアの本音は、だいたい同じ ―

「1円で温泉付きリゾートマンションが買えます」
この言葉、シニアの心にじわっと刺さりますよね。
温泉付き、景色よし、第二の人生――。

まるで長い現役生活を終えた自分への“ご褒美”みたいな響きです。
実を言うと、私も一瞬、「これは…アリかもしれない」と心が揺れました。

しかも場所は、都内からほど近い箱根の強羅温泉。

行政書士として多くの「終活」や「不動産」の問題を見てきた私ですら、
その魔力に逆らうのは簡単ではありませんでした。

■ 1円のワナ

ところが、です。世の中そんなに甘くはありません。

「1円」という破格の裏側には、虫眼鏡で見ないと見落としそうな小さな文字で、
恐ろしい現実が書き込まれています。

「管理費・修繕積立金、毎月徴収」 これがなかなかの曲者で、だいたい月5万〜6万円。

さらに、所有すれば絶対に必要なコストが襲いかかってきます。

  • 固定資産税
  • 水道・電気・ガスの基本料金(使わなくてもかかる)
  • 共同温泉の維持費(これがまたしっかり取られる)

気がつけば、年間60万円コース。

1円で買ったはずが、毎年60万円を払い続ける「請求書付き物件」へと早変わりです。

10年持てば600万円。

これでは「おまけ」どころか、終わりのない「サブスクリプション型の負債」です。

子や孫にまで付いていきます。

■ Oさん、飛びつく

ここで登場するのが、例のOさん(70歳)。

ちょっと恰幅がよく、最近はテニスより映画とゴルフ、車に夢中。

そんなOさん、広告を見て言いました。

「箱根強羅温泉、入り放題?別荘代わりにいいじゃないか!1円なら損はしないだろ!」

そして――

持ち前の決断力を発揮して、即決購入。

その行動力、できれば他の相続対策とかに使ってほしかったのですが、
止める間もありませんでした。

■ 3ヶ月後のOさん、その悲哀

最初の1ヶ月、Oさんは上機嫌でした。

「今週中も箱根なんだ」と、週中には自慢の車で意気揚々と出かけていきます。

ところが2ヶ月目。

「ちょっと箱根も、毎回となると埼玉県からだと意外と遠いな。一本道の峠道も疲れるし」
と少し愚痴が漏れ始めます。

そして3ヶ月目。

ついに「今月はもういいか。たまにはゆっくり家にもいたいしな。」
と本音がポロリ。

しかし、無情にも月1回請求書は届きます。

  • きっちりと
  • 逃げ場なく
  • 毎月5万円前後

もちろん、ご自宅の維持費とは別にかかる経費です。

Oさんは、暗い顔でつぶやくようになりました。

「なんだか行かないと損だよな。よし、行くか……」

■ 「癒やし」が「義務」に変わる時

そこからはもう、レジャーではありません。

  • 雨でも行く
  • 寒くても行く
  • なんとなく気がのらなくても行く

もはや旅行ではありません。

「月5万円分の元を取るための回収作業」です

本来、心と体を解き放つはずの温泉が、
いつの間にか「こなさなければならないノルマ」に変わってしまいました。

湯船に浸かりながら、Oさんはリラックスするどころか、
「これで一回あたりの入浴料は一万円を切ったか?」と、
脳内で必死に損益計算をしている始末。

もはや湯治客ではなく、温泉施設の夜勤スタッフのような悲壮感が漂っています。

これなら、近くの日帰り温泉「湯けむり横丁」に毎日行っても月3万円だよな。

■ 私がたどり着いた「月1回」の境地

ちなみに私自身も、退職後に
「1年間、月2回の温泉旅行生活」
を実践してみた時期がありました。

やってみて分かったのは、これが意外と月2回は忙しいということです。

行く前にホテルを予約して準備、帰ってきたら
次の予約を確認し、交通を考える、天気を気にする。

気がつくと、カレンダーが温泉の予定で埋まっていくことになる。

妙な圧迫感を覚えるようになりました。

毎月温泉旅行で贅沢のはずが、
スケジュールに追い回される「強迫観念」に変わってしまったのです。

そこでたどり着いたのが、今のスタイルです。

「寒い時期は無理せず旅行せず、春になった3月から月1回の湯治場温泉旅行を楽しむ」
なので7,8月は混雑を避けて、年間約7回となる。

  1. 楽しみが持続する: 1ヶ月の間、ワクワクして待てる。
  2. 無理がない: 準備も片付けも、年7回なら苦にならない。
  3. 毎回が特別:「いつもの場所」ではなく、その時の気分で宿を選べる。

費用は年間で30万円(台湾10万円含む)、しかもこれは固定費でないことがいい。

あのリゾートマンションの維持費(固定費)の半分です。

しかも、固定資産税も修繕積立金も、私には一切関係ありません。

■ 本当の贅沢とは何か

若い頃は、「別荘を持っている人こそが真の豊かさの象徴」だと思っていました。

しかし、シニアになってようやく分かりました。

本当の贅沢とは、「時間に縛られないこと」であり、「時間の選択の自由を持っていること」です。

行きたいと思った時に行く。

行きたくないときは、家でゆっくりする。

この「わがまま選択」を貫けることこそが、何よりの豊かさではないでしょうか。

■ 結論

リゾートマンション、タダでもいりません。

いや、正確に言いましょう。

「維持費と義務という名の鎖が付いたタダ」はいりません。

もし、別荘購入を真剣に迷っているシニアの方がいたら、
こう自分に問いかけてみてください。

「その年間固定費で、何回、最高級の旅館に泊まれるだろうか?」

その答えが、あなたの人生にとっての「正解」です。

「タダより高いものはない」 これは、
行政書士として法律や不動産に触れ、そして自らも温泉を愛してやまない私が、
年を重ねてようやく辿り着いた、ちょっと苦くて笑える真実です。

最近、Oさんの車のエンジン音が、どことなく溜息のように聞こえるのは私だけでしょうか。

今度彼に会ったら、「温泉の湯加減はどうですか?」ではなく、
「請求書の湯加減はどうですか?」と聞いてしまいそうで、少し怖いです。

皆様も、甘い言葉の裏にある「自由の重さ」を、どうぞお大事になさってください。

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