武蔵野線から山へ、シニアひとり旅~秩父・新木鉱泉一泊記〜

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Last Updated on 2026年5月22日 by 管理者 Nikifarm

おはようございます。室温22.4℃、朝一血圧(137/93/67)。

一昨日、埼玉県秩父市の温泉(新木鉱泉)に旅行に行った時の話です。

武蔵野線から山へ

武蔵野線の車内に、ふわっと流れる
サザンオールスターズ のベストアルバム。

「ああ、旅が始まるな」

そんな空気の中、南浦和駅で隣のおばあさんが立ち上がり降りようとした瞬間、扇子をポトリ。

おもわず、声をあげた

「あっ、落ちましたよ」

手渡すと、にっこり笑う。

……これは何か、いい旅になる予感がする。

現金一万円の旅

財布の中は現金一万円だけ。

「まあ、今はPayPayとクレジットがあるしな」

と思いつつ、念のためセブンで一万円だけ追加で下ろす。

この“ちょっと不安だから一応おろす”感じ、シニア旅あるあるである。

だが後で、この一万円が効いてくる。

秋津で音楽チェンジ

秋津で乗り換え。

音楽もサザンから
FUNKY MONKEY BΛBY’S へ変更。

車内は一車両に12人ほど。
ガラガラだ。

小手指では8人になった。

「これからもっと減るんだろうな」

埼玉なのに、だんだん“過疎地の入口”みたいな景色になっていく。

ビルが消えていく

狭山ヶ丘あたりから、景色が変わる。

ビルがない。

緑。
一戸建て。
遠くに畑。

「ああ、みんなここから都会へ通勤してるんだろうな」

そんなことを考えながら窓を眺める。

駅前には8階建てマンションがひとつだけ。
都会の最後の砦みたいに立っていた。

シルバー歩行補助車という文明

ここで新たな発見。

“シルバー歩行補助車”。

最近よく見るが、近くで見ると便利そうだ。

なるほど。
歳を取ると、

「歩ける」より
「安心して歩ける」

が大事になるんだな。

旅は景色だけでなく、時代も見せてくれる。

飯能から先は、完全に山

飯能市 を過ぎると、もうマンションは消える。

左右の窓から見えるのは、ほぼ緑。

山。
木。
また山。

車内には学生と年寄り。

観光客っぽいのは、たぶん私くらい。

「東吾野」

駅名まで、もう秘境感がある。

そして宿へ 秩父・新木鉱泉

今回の宿は、
新木鉱泉 。(秩父七湯のひとつ)

着いてまず感じた。

「ああ、ここは“静か”を売っている宿なんだ」

派手な演出はない。

でも落ち着く。

温泉、ほぼ独り占め

そして驚いたのが温泉。

入ると、だいたいいつも私ひとり。

静か。

お湯の音だけ。

露天もあるが、ひとりは貸切で妙に贅沢だ。

しかも無味無臭。

温泉特有の硫黄臭もない。

だから逆に、

「ああ、これは肌にやさしいんだろうな」

と感じる。

刺激がない。

でも湯上がりは、肌がしっとりすべすべしている。

“効くぞー!”と主張しない温泉。

こういう温泉のほうが、本物っぽい。

料理もおいしい、特に口に入れた時の御飯がなぜか美味しいのだ。

一万円おろしておいてよかった

宿の支払いの時。

「クレジットでも大丈夫ですよ」

と女将さん。

でも続けて、

「でも現金だと、なんだか働いた気がするんですよね」

そう笑った。

なんだか分かる気がした。

カードだと数字だけ。

現金は、“手で渡す”感じがある。

「それなら」

私は一万円札を二枚出した。

その瞬間、

「あー、途中で一万円おろしておいてよかった!」

と心の中で思った。

あれは完全にラッキーだった。

いや、南浦和で扇子を拾った“あのセンス”のおかげかもしれない。

旅というのは、こういう小さな流れがなぜか繋がっていく。

女将さんの話がまた深い

支払いの後。

そこから女将さんの話が始まった。

宿の歴史。

建物の話。

昔の話。

「180年前の建物と言われていますが、調べたら250年くらい経ってるみたいなんですよ」

さらっとすごいことを言う。

さらに女将さんは言った。

「この宿は、木が生きているんです」

見ると確かに違う。

とても太い柱。

天井の梁。

階段。

漆喰の壁。

襖や障子の紙まで、
どこか呼吸している感じがある。

しかも、
昔の建物なので、
ほとんど釘を使っていないらしい。

木と木を組み合わせて、
支え合っている。

なるほど。

だから空気が柔らかく透き通っているのか。

新しいホテルの“無音の静けさ”とは違う。

木が静かに生きている音がする。

館内の行燈の絵も、昔の着物の型紙を使ったものらしい。

派手ではない。

でも、ずっと見ていられる。

この宿は、
古いものを壊さず、
静かに生かしている。

だからなぜか落ち着くのだろう。

「ネットで宣伝しませんか?」を断る宿

最近はネットで宣伝しませんか、と営業も来るらしい。

でも、

「うちは、あまりネットは好きじゃないんです。静かにやりたいので」

その言葉が印象に残った。

ガツガツしていない。

来たい人だけ来ればいい。

そんな宿。

だから逆に、また来たくなる。

シニア女性は強い

今回の旅で一番感じたこと。

それは、

女性はシニアになるほど強くなる

本当に元気。

活動的。

しかも2人組が多い。

女同士で旅行して、食べて、しゃべって、笑っている。

男性は静か。

女性は口が動く。

この宿、女性客に人気なのも分かる。

男4、女14

宿全体を見ると、

男4
女14

完全アウェーである。

でも不思議と居心地は悪くない。

むしろ女性たちの元気を見ていると、

「ああ、日本を回してるのは、この人たちかもしれない」

そんな気までしてくる。

酸素を吸う旅

秩父の山を見ながら思った。

これは観光というより、

“酸素を吸いに来る旅”

だな、と。

都会では吸えない空気。

静けさと鳥の声。

時間の流れ。

それを体に入れる感じ。

また来たい宿

西武秩父駅までの帰りの車内。

若い女性2人と、私で3人。

静かな車内。

窓の外は山。

「ああ、また来たいな」

そう自然に思った。

派手ではない。

インスタ映えもしない。

でも記憶に残る。

静かで、古くて、人がやさしい。

秩父の
新木鉱泉 。

シニアになるほど沁みる宿である。

最後は、
“センスがあった旅”だった気がする。

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